中学生三人組の時系列を考察
波乱の第六皿が放送されました。
全11話とされる物語も中盤を過ぎ、中学生3人組の抱える秘密などが明らかになりました。
そこで今回は、中学生3人組の時系列や、世界観についてまとめていきたいと思います。
一稀の時系列
一稀に関しては、第五皿が中心になります。
第五皿では一稀と春河の秘密が明らかになりましたが、冒頭から「僕が5歳の時、春河が生まれた」と年齢情報を提供していた点から見てもかっ飛ばしてるなと思いました。
まずは、一稀の時系列から見てみましょう。
5歳の時、春河が生まれる
一稀は、兄としての自覚を胸に「僕はお兄ちゃんだ。僕は何があっても春河を守る」と決意します。
10歳の夏、本当の家族ではないと知る
一稀の祖父「お前の母親は、だらしない女だった」
いまわの際で、一稀の祖父が言った言葉です。
一稀はこの時、
- 自分には本当の母親がいること
- 本当の母親から引き取られた子どもだったこと
を知り「家族は“本当”じゃなかった。いや、僕だけがつながっていなかったんだ」とショックを受けます。
一稀はこの時「幸せの匂いが分からなくなった」と感じます。
10歳の春(4月29日より前)、まあるいえんでつながっている
「おそろい嫌?」心配する春河に「もうすぐ中学生だし、家族とペアルックは卒業したいだけ」と言います。
春河「違う服を着てたって、大人になって離れ離れになったって、僕とカズちゃんは、はじめからおわりまで、まあるいえんでつながってるよ」
同じく第五皿でのさらざんまい失敗直後、この出来事を振り返り「春河の言葉が僕を本当の家族に呼び戻してくれた」と言います。
しかし、このシーン、違和感がありませんか?
自然に考えると、祖父の死→春河の言葉という順番ですが、
- 祖父の死は「10歳の夏」
- 春河の言葉は「10歳の春」
何故「春」としたかというと、桜が咲いているからです。(台詞等で明示されてはいませんが、春と考えるのが自然です。)
「春河の言葉が僕を本当の家族に呼び戻してくれた」という台詞から、祖父の死より後の出来事であることは、確定としても良いでしょう。
となると、背景の桜は何?季節は春ではない?という疑問が湧いてきます。
では「11歳の春」の話ではないか?という指摘が入るかと思うのですが、ここについては、Netflixの字幕版で「10歳」と見ることができます。(テレビ版の字幕では10歳と出ておりませんでした。あくまでNetflixの字幕のみです。)
(10歳の一稀)お母さんたち 怒ってた?
と出ているため、10歳であることが確認できます。
となると、出来事の順序と時系列が合わない?のかと思いますが、これについては、一稀の誕生日が4月29日のため、
10歳の夏→(年を跨いで)10歳の春(4月29日より前)
と時系列を確定できます。
整理すると、次の通りです。
- 10歳の夏:祖父の言葉から、本当の家族でないと気づく
- 翌年の春(誕生日前):春河の言葉で本当の家族に戻れる
尚、一稀の誕生日につきましては、ラパントック様Tweetにてご確認いただけます。
【HAPPY BIRTHDAY 一稀!!!!!】4月29日は矢逆一稀の誕生日!春河のために一生懸命な一稀。これから先もどんな顔を見せてくれるのか、目が離せません!おめでとう一稀!#さらざんまい #一稀 #HBD pic.twitter.com/mXFCawItxK
— ラパントラック (@lapintrack) 2019年4月29日
また、今回、Netflixの字幕情報を根拠として使わせていただきましたが、Netflixの字幕情報は間違っていることもあるようですので、これについては「Netflixの字幕が正しい場合」と仮定した説だということをご理解ください。
【表記揺れ】Netflixの字幕と、エンディングで表記のズレが発生していますね…。
— team解読 (@team_kaidoku) 2019年5月19日
時系列割り出す際、Netflixの字幕での(10歳の一稀)というのをヒントにしていたため、こういう表記揺れは困るなぁ…と。(他の字幕情報は信じていいのでしょうか。汗)#さらざんまい pic.twitter.com/0rx4roIlqc
※それほど騒ぐ問題ではありませんが、一応、根拠として「Netflixの字幕」を提示しておりますので、このように記載させていただきました。尚、Netflix作品に関しては日々、楽しく鑑賞させていただいております。当記事及び該当Tweetに、Netflixを批判、誹謗中傷する意図はございません。
中学1年生の春、本当の母親と再会する
この時、一稀は「初めて会ったその人は、とても懐かしい匂いがした」と言います。
(「幸せの匂いが分からなくなった」と対になっているのでしょうか? 幸せは匂いで感じるものということ?)
彼女の匂い袋を春河が持っていました。
この件については春河が「サラちゃんへ」と一稀へ送ったメッセージにて「一稀の本当の母親の匂い袋を拾ったが、彼女を傷つけてしまった、だから一稀の笑顔を自分が奪った」と感じていたことを告白します。
春河の、一稀と一緒にいたいという切実な思いを感じますね。
一稀は「僕には“本物”より“本当”の家族がいるから」母親とは別れ、彼女との再会を秘密にすることで決着をつけました。
しかし、一稀は駅に見送りに行こうとしていたため、問題のシーンへとつながります。
中学1年生の春、春河が交通事故に遭う
春河は一稀が自分の元を去ってしまうと感じました。
「僕が悪い子だから?」と言います。やや唐突に感じますが、これは第六皿で明らかになった「一稀の本当の母親を傷つけた」という件とつながると考えると自然です。
この痛ましい一件の後、中学1年生の一稀は春河への償いとして、
- サッカー部を休部(=サッカーをやめ、ミサンガを捨てる)
- ニャンタローを奪う
- サラになって春河とつながる
と続きます。この順番で並べたのは、次のシーンにて、
「サッカーやめたけど、それだけじゃ全然足りなくて、ニャンタローを奪った、サラになって春河とつながった」
という台詞があるため、この順番だと推測できます。
尚、ミサンガを捨てたのは、サッカー部を休部した時期だと思います。
まだ断定はできないのですが、
春河「大好きなサッカーもやめちゃって、ミサンガも捨てちゃった」
という台詞から、サッカーをやめた(=休部)時にミサンガを捨てたと考えられます。
また、もし退部の時期に捨てた場合、燕太が新しいミサンガを買った時期とすり合わせると、やや性急な気がします。
退部届けを出した→ミサンガを捨てた→燕太が抗議をする→燕太の元にミサンガが届く
これらが1日の出来事とは考えにくいため「燕太はミサンガをしていない一稀を見て新しいミサンガを買った」とするならば、「休部の時期にミサンガを捨てた」とすると燕太が購入して新しいミサンガが届く、という流れとも噛み合います。
中学2年生の春、サッカー部を退部、カッパになる
こうして第一皿へとつながります。
ターニングポイントとなったのは、第六皿。
一稀がカパゾンビにされる春河を助けるため「自己犠牲」という選択をしますが、寸前で悠と燕太に阻止されます。
例のシーン……春河を救うために、自分の存在が消す(=つながりの消失)という方法ですが、これについては、
「春河のためになんてウソだ、僕は…僕は僕を守るために春河をだましたんだ。僕は…」
第五皿で一稀自身が言っていたことです。
結局、一稀は自分のために春河に償いをしていたと気づきます。
第六皿での行動も「春河を救うためと言いながら、一稀は自分のために犠牲になろうとしていた」と考えられます。(さらに深掘りすると「自分の存在を消したいという一稀自身の願いを叶えようとした」という行動だと推測できます。一稀は自分が家族にとって余分な存在だと思っていた節がありますので…あくまで憶測でしかありませんが。)
燕太には泣きながら「春河が喜ぶと思っているのか」と説得され、悠には殴られます。当然ですね。
一稀は同じ過ちを繰り返そうとしていたわけですから…。
「ゴールデンコンビってんなら、蹴り飛ばしてでもこいつの目、覚まさせろ」
第五皿で悠は、そう言ってましたが、結局「殴って目を覚まさせる」という役割は悠が担うことになりました。
そして春河に託されたミサンガを、燕太が渡し「春河は一稀のことを諦めていない、信じて待っている」と伝えました。これがきっかけになって、一稀は春河の気持ちを受け止め、ようやく春河を救うために動き始めました。
第六皿にて、
一稀「二人がいてくれてよかった」
と言いますが、改めて、そう感じますね…。
悠の時系列
一稀に対し、悠の時系列は、かなりシンプルです。
(シンプルだからこそ出来事の重みが響くのかもしれません。)
10歳の冬、両親が亡くなる
悠「あとで聞いた話では、友人にだまされて多額の借金を背負い込まされたらしい」
誓はこの時、悠に一万円札を渡し、母親のネックレスを持っていきます。
誓「悠、覚えておけ。この世界は悪いヤツが生き残るんだ」
誓はネックレスを盗みながら両親のことを「善人ぶって、あげく死ぬなんてバカのすることだ」と言います。つまり誓は「度の過ぎた善意は身を滅ぼす」と両親から学びました。
だからこそ、そんな両親を見て育った悠に対して、誓は「悪いヤツが生き残る」と、誓なりの処世術を叩き込みます。
また、悠の室内を見ると、彼がサッカー少年であったことが伺えます。
まだ断定はできませんが、悠がサッカーやめた時期も両親の死後まもなく…と考えられます。
両親の死後、店を維持する資金もない=生活が苦しくなった→サッカーを続ける経済的余裕がなくなった
とすると、この時期にやめたと考えるのが自然です。
この後、由利鴎(ゆりかもめ)率いる集団とつるむようになります。
誓は父母の店を畳まずに済むように資金を調達。叔父と叔母に店を継ぐように説得します。(結果的に、悠の叔父・叔母によって「蕎麦久」は存続します。)
ちなみに、誓が調達した資金ですが、漏洩時に「シノギ」という言葉で表現されています。
由利鴎「シノギくすねて、うちのシマから逃げきれると思うなよ」
主に暴力団関係の団体・人物が収入を得るために使う手段であり、港湾業務や興行の元締めといった合法手段もあったが、たいていの場合、用心棒、賭博、違法薬物密売、売春斡旋、ノミ屋・ダフ屋、闇金融、詐欺集団の元締めなど、違法手段のものが多い。
シノギ - Wikipediaより引用
調べたところ「収入そのもの」というよりは「収入を得るための手段」という意味合いのようです。(要するに資金源ということでしょうか…。)
10歳の冬、由利鴎を殺害
第四皿での「漏洩」で、悠が殺害したことが明らかになりました。
この後、誓が倒れた由利鴎に二発、銃弾を撃ち込み、「悠の罪を誓が被る」という形でこの一件は、終結します。
誓が「店ののれんを守った」と悠は言っていますが、これは、
- 資金を調達した。
- 由利鴎殺害によって(社会的には誓が殺害したことになっているため)、店に迫る脅威も振り払った。
という二点を指してのことでしょう。
誓「俺たち兄弟は、この世界で生き残る。どんな手を使っても」
尚、悠はこの後、浅草を離れたのかと思いますが、その時期については、まだ確定できる情報を見つけられておりません。
中学2年生の春、浅草に戻ってくる、カッパになる
第一皿で「転校生」としてやってきました。
…と、その前に、車上荒らしの最中に女装一稀と遭遇します。
カッパ像を破壊→記憶のない空白の時間→転校生として学校へ
やはり、この「空白の時間」が気になりますね…。
一稀と悠には「ケッピに記憶を消された時間」が存在するというのは記憶にとどめておいたほうがよさそうです。
燕太の時系列
燕太に関しては第三皿が元になります。もちろん、漏洩情報も大切です。
漏洩情報に関しては、仮に
- ジャージスメル事件
- リコーダー事件
と呼ぶことといたします。
10歳の時(未確定)、一稀と出会う
ここに関しては、未確定情報が二つあります。
- 10歳という年齢
- 一稀との出会い=サッカーを始めた
まずは年齢について。
燕太は「ガキの頃から一稀が好きだった」と言っており、具体的に年月を口にしていません。
10歳としたのは、燕太が抱きしめていた雑誌と、悠の部屋にあったポスターが同じもののためです。
この辺は(別の観点から)Twitterでも言及しています。
燕太の家に飾ってあるタオルは、日本代表の遠藤保仁のもの。遠藤が7番で日本代表だったのは2014年ワールドカップ。
— team解読 (@team_kaidoku) 2019年5月4日
2014年に燕太がサッカーを始めたと思っていいのかな?#さらざんまい#考察#さらざんまい考察 pic.twitter.com/AZKI8DseLc
悠に関しては10歳と確定しているため、この雑誌とポスターの関係から燕太も10歳なのではないかと考えています。
さて、次は燕太が「一稀と出会う=サッカーを始めた」という件についてですが、こちらは、特別な根拠はなく、先のシーンの描写を見て、それが自然な流れだと判断いたしました。
雑誌を抱きしめないている燕太→一稀が手を差し伸べ、二人で駆け出す→ゴールをペンキで描く
という流れです。
燕太が雑誌を抱きしめて泣いているという点が気になりますね…。
推測でしかありませんが、本当はサッカーをしたかったのにできない事情があった。
できない事情というのは、
- 「同級生にお前には無理だ」と言われた。
- 自分に自信がなく「僕にはできっこない」と考えていた。
等です。あくまで「思いつき」であることにご注意ください。
燕太がいじめられている等の場合、一稀を「恩人」と言う(第四皿で久慈に伝えた)のも頷けるな、とは思いますが…ここに関しては、新たな情報の開示を待ちましょう。
中学1年生の時(一稀休部前)、ジャージスメル事件
漏洩情報で出ていた内容です。
ユニフォームやロッカールームの雰囲気等を考慮すると、中学校進級後かと思います。
(また一稀は「幸せの匂いが分からなくなった」と言っていましたが、匂いと幸せに関連性があるとすると、燕太にとっての幸せの匂いは一稀の匂いで、ここは「燕太にとっての幸せを率直に表現した場面」と言えるのではないでしょうか…。)
中学2年生の春、一稀の退部に戸惑う、カッパになる
燕太「どうするよ、これ」
と言っていますが、この辺に関しては、
- 【A】当日届いたミサンガを眺めている
- 【B】以前届いたミサンガの箱を開けて、改めて眺めている
どちらとも考えられます。
A、Bどちらの場合でも「この春から復帰する一稀へのプレゼントとしてミサンガを用意していた」というシナリオが考えられます。
Aの場合は、せっかく準備していたミサンガが、ようやく届いたものの、一稀は退部してしまった。だからこそ(もう届いちゃったけど、一稀には渡せない)「どうするよ、これ」となります。
Bは「前々からミサンガを準備し、この日のために備えていた」というパターンです。こちらの場合、教室での抗議が説得力を増します。
せっかく一稀とやり直すためにミサンガを準備していたのに、退部の事後報告をされ、尚更怒ったというところでしょうか。
この辺については音寧(燕太の姉)が「あんた、またムダ遣いしたわね」と言っているのがヒントになるかと思うのですが、これだけでは、まだどちらとも言えません。
中学2年生の春、リコーダー事件
リコーダーに口付けたのはこの時期かと思われます。
それというのも背景にカレンダーが出ていたからです。
この漏洩時の背景、随分、第一皿で登場した教室と類似しているな、と。
ということは、中学2年生となってから一稀のリコーダーに…と考えるのが自然です。
10歳の出来事
今のところ、ターニングポイントになった出来事が10歳と重なっています。
- 一稀:10歳に本当の家族ではないと知る
- 悠:10歳に由利鴎を殺害
- 燕太:10歳に一稀と出会い、サッカーを始める(未確定)
10歳に何か意味はあるのでしょうか?
この件については、引き続き追っていきたいと思います。
それでは!